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最初に異変を感じたのは、三日前のことだった。【DORO文学】

キャラ関連
No.1335638179
今日は朝から雨だった。
傘を持って出なかった俺は、藤沢駅前のアーケード街を濡れ鼠になりながら歩いていた。
靴下はすでにぐっしょりで、ジーパンの裾がアスファルトに吸い付いている。
冷えた体で熱いそばを思い浮かべたら、もう他に何も考えられなくなった。
脇道の先、古びた赤い暖簾が揺れている。
「手打ちそば 煮毛」
通ったことは何度かあるが、入ったことはなかった。
暖簾をくぐると、少し湿った畳と、だしの匂いが鼻をくすぐった。


「すいません、かけそばを──」


言いかけて、奥の厨房に目が止まる。
そこには、白く丸いモチモチの塊がいた。
ピンクの髪に、紫のリボン。
ふてぶてしい無表情。
……DOROだった。
No.1335639027
「おい……なんでお前が……」

DOROは板の間に立って、そば粉を捏ねていた。そのまま器用に二足で足場を取り、白い前足で麺棒を転がし、丁寧に均等に延ばしていく。
店主らしき人間の姿はどこにもない。

「え、店の人……は?」

俺が恐る恐る聞くと、カウンターの隅で新聞を読んでいた老人が「入院した」とだけ言った。

「昨日からあの白いのが手伝ってくれててな、けっこう客も入っとるよ」
「……あのDOROが?」
「ん?」
「いや、あのニャーンのやつが」
「なんだかわからんが、ちゃんと粉から打っとる。味も悪くない」

俺は信じられない気持ちで席についた。
しばらくして出てきたかけそばは、意外にも香りが良く、出汁の色もやさしかった。

「……うまい」
No.1335639389
正直、驚いた。
DOROがこんな仕事をこなせるとは。
そばの弾力と喉越し、つゆの塩梅、文句なしだった。
ふと顔を上げると、DOROが厨房の隅でこちらを見ていた。
無表情のまま紫の目だけが、じっと俺の口元を追っている。
なんだよ、と思いながら、最後の一口をすする。と、突然、喉の奥が熱くなった。

「うっ……!?」

咳き込みながら水を手に取る。
どうやら、最後のそばの一束にデスハバネロの粉が大量に練り込まれていたらしい。
涙がにじみ、鼻水が垂れ、汗が一気に噴き出す。

「こっ……これは……」

口の中が灼けていく。
なのに、DOROは無表情でじっと見ていた。
No.1335639485
結局、俺はその日、胃腸炎一歩手前で帰宅しそこねた。
口の中は一日中ヒリヒリしていたし、家に帰ってもDOROはちゃっかり先にいて、麦茶をすべて飲み干していた。
あいつは今も、そば屋で何かを練っている。
そばなのか、それとも別の何かかは、俺にはわからない。
No.1335638319
新作!?
No.1335639644
なんでそんな罠を…
No.1335639974
どうしてそんなひどいことするの…
No.1335640133
DORO watching you
No.1335640665
途中まではいい話ぽかったのに…
No.1335641300
No.1335641537
絶妙に違う!
No.1335646195
最初に異変を感じたのは、三日前のことだった。
台所の隅にあった空き瓶が、一本、二本と、妙な具合に消えていた。
床には転がった梅の種がひとつ、なぜかラベルを剥がされた果実酒の瓶の欠片が落ちていた。

「……またDOROか?」

その日は気にしなかった。
DOROは物をため込む癖がある。
冷蔵庫からオレンジを勝手に抜いて、こたつ布団の中に何個も隠していたこともある。
今回もその延長だろうと思っていた。
だが次の日、押入れの奥から妙な音がした。
ポコ……ポコ……
No.1335646339
水の沸く音に似ているが、それよりもっと鈍く、発酵を思わせる響き。
恐る恐る襖を開けると――そこにあったのは、大小の瓶にぎゅうぎゅう詰めされた青梅と、DOROだった。
DOROはその白く丸い体で瓶を抱え、紫の目を細めて満足げに寝息を立てている。
腹肉の隙間からは氷砂糖がひと袋はみ出していた。

「お前……まさか、梅酒作ってんのか?」

返事はなかったが、部屋には確かに甘く鼻をつく、アルコールの匂いが漂っていた。
……数日後。
No.1335646783
俺の部屋には、手製のラベルが貼られた瓶が十数本積み上げられていた。
ラベルにはすべて、油性ペンで大きく「ftHfffg」とだけ書かれている。
透明な液体は妙に濁っていて、どれもやけに香りが強い。
――そして、その夜。俺の部屋に、パトカーのサイレンが近づいてきた。
玄関が激しくノックされ、俺は目をこすりながらドアを開ける。
そこには、警官が数人、殺意の眼差しで立っていた。

「開けろ神奈川県警だ!」
No.1335647884
「ちょっと待ってください、これは違って、その、うちのDOROが……」

言い訳にもならない説明をする俺の背後で、DOROは瓶をひとつ抱えて二足歩行で歩いていた。
ふてぶてしい顔、無表情。何も悪びれる様子はない。
そして警官に向かって、ニャーンと鳴いた。

「28本の密造酒…確実に酔いたかったんだろ!」
「違う、俺じゃないんです、俺じゃ……!」

だが、言い訳は通じなかった。
俺は酒税法違反の疑いでそのまま連行され、取り調べを受けた。

「おまえがこの酒を造ったんだろ!?」
「DOROです」
「誰?」
「だから……あの、あいつです。梅を……DOROが……」

――記録上、俺は虚偽供述を繰り返し、意味不明な発言を続けたとして、書類送検された。
No.1335648209
DOROは?
あいつは俺が署に連れていかれた翌朝、何事もなかったかのように近所の公園で寝ていたらしい。通報したのもたぶん、あいつを目撃した近所の誰かだ。
帰宅すると、部屋には空になった梅酒の瓶がいくつも転がっていた。
DOROはすでに座布団の上で熟睡していた。
俺は呆れて笑いながら、その隣でうちわをあおぎ、久しぶりに安物の缶チューハイを開けた。

「……DORO、またやったな」

返事はなかった。
けれど、そのふてぶてしい寝顔は、どこか誇らしげだった。
No.1335648429
いい文学だった

引用元: 【https://www.2chan.net/】

管理人
管理人

久しぶりの新作!?

相変わらず酷い目にあっている…

コメント

  1. 文学なのか、それとも別の何かかは、俺にはわからない。

  2. 無粋な話だけど…

    1.アルコール度数20度以上の市販の酒(ホワイトリカーなど)を使う
    2.自分と家族など身内で飲む範囲
    3.他人に飲ませたり、売ったりしない
    4.ぶどう類など、特定材料を入れていない

    以上に該当するなら製造行為にならないから、今回のは当てはまらないのでは?もしかして、作りすぎも駄目なの?

  3. なんで梅酒なのに摘発されるんだ

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