No.1337738914
もち、もち…。
もちもちとした足音と蒸し暑さで目が醒めた。
目が覚めると俺の目の前には白。
「ニャーン」
DOROが俺の体の上に乗り、顔を前足で踏み、揉んでいた。
馬鹿な、昨夜は戸締まりをきちんとしたはずだ…。
だが、現実としてはDOROは当たり前のように俺の部屋に居た。
兎にも角にも暑い。
DOROを体の上からどけようと手を伸ばすと、こちらの手を避けるようにぬるりと体を動かして、自ら離れていった。
「ニャーン」
再びDOROが鳴く。
視線を動かすとDOROは食卓の傍に佇んでいた。
寝床から起き上がって見ると、食卓の上には白米、味噌汁、春菊のおひたし、冷奴が並んでいた。
……作ったのか? これを、DOROが?
No.1337739248
見た目に反して、小器用な奴だという事は知っていた。
朝起きて、食事が用意されているなどというのは久しぶりだった。
「……ありがとう」
礼を言って、寝汗をシャワーで流そうと、バスタオル片手に浴室へ向かう。
シャワーの水栓を捻り、温まる前から水を頭から浴びる。
シャワーから出る水は、朝にも関わらず既に温んでいた。
シャワーの湯温が上がり、浴室内に湯気が立ち込める。
いつもならばシャワーを浴びた後、適当に朝食を作るのだが、今日はDOROが作ってくれた?朝食がある。
シャワーの湯温がさらに上がり、肌を刺すような刺激を感じる。熱い。
外気によって水道管の中の水が想像以上に熱せられていたのか?
そんな事を思っている間にも、さらに湯温は上がり、もはや熱湯と化していた。
「あっちぃ!?」
慌てて水栓を閉める。
給湯器が故障したのか?
それともそれ以外の何か……?
そこまで思いを巡らせた所で、天啓のように脳に閃きが走る――DOROだ。
No.1337739389
もはやそれ以上シャワーを浴びる気にならず、浴室から出て、ヒリヒリする肌をタオルで拭う。
すると甘辛い良い匂いが部屋に立ち込めていた。バスタオルを腰巻きにして食卓まで戻る。
いつの間に用意したのか。
食卓の上には鉄鍋と肉と野菜と卵、そしてビールが並んでいた。すき焼きだ。
DOROが見事なサシが入った肉を、割り下で焼き煮にし、溶き卵につけて食べる。
そして、すかさずビールで流し込む。
……何かがおかしい。
釈然としない気分のまま、半裸で食卓についた。朝っぱらからすき焼き?
……まあ、美味そうではある。
箸を手にとって肉に手を伸ばそうとすると、もちもちした前足ではたかれた。
DOROは常変わらず、どこか遠くを見るような表情で俺を見ていた。
野菜、豆腐、しいたけ、そしてビール。
そのどれを手に取ろうとしても、DOROは一切の表情を変えず、俺の手を叩いて阻止した。
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「ニャーン」
DOROは白米、味噌汁、おひたし、冷奴を顎で指し示した。
俺が食べるのはそちらということらしい。しばし、部屋に沈黙が落ちた。
「……」
DOROはマイペースにすき焼き鍋に野菜を入れていく。
「……いただきます」
諦めて俺はDOROの作った朝食を食べる。
美味い、のだろう。
少なくとも俺が作るよりは美味い。
だが、俺の眼前で甘辛い匂いと共に煮立っているすき焼きは、それよりさらに美味そうだった。
おひたしを食い、白米を口に運び、味噌汁をすする。
冷奴を箸で切り分けて食べる。
炭酸ガスが抜ける音がして、DOROが二本目のビールを開けていた。
――町田の夏の一日が始まる。
No.1337741664
頭がおかしくなる…
No.1337740533
くぅ~~これこれ!
No.1337740406
このDOROは町田に生息してるやつか…
No.1337741341
ビールを飲みたくなってくる名文
No.1337749156
夜の22時過ぎ。
残業を終え、ぐったりした身体でマンションのエントランスをくぐる。
湿気をまとった風が重たく肌にまとわりつく。
とにかく暑い。
何もかもがうっとおしい。
部屋に帰ったらシャワー浴びて、冷房つけて、アイスでも食べて――
「……ん?」
自宅のドアノブを掴んだ瞬間、異変に気づいた。鍵、開いてる。
「……あれ? 俺、閉めたよな?」
恐る恐るドアを開ける。
中から、ひんやりとした空気がふわっと流れてきた。
冷房、ついてる。
No.1337749478
冷房、ついてる。
「え?……え?」
靴を脱いで、リビングへ。
ソファ。いた。DOROが。
白く、もちもちしたボディ。
床にぺたんと座り、ソファの背にもたれかかるようにして、ピンクの髪を扇風機の風になびかせていた。
リモコンは手元に。
エアコンは冷房18℃設定・風量“強”。
その真下で、堂々と涼んでいた。
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紫の瞳で、こちらを見上げてくる。
無表情。無言。
だが、完璧なまでの**「何か?」感。**
「いやいやいやいや、ちょっと待て」
俺は玄関に引き返し、自分の鍵を確認した。
持ってる。つまり――
「お前、どうやって入った」
DOROは返事しない。
ただ、そのままリモコンをぽすっと抱えなおして、まるで**「遅かったね」**と言いたげな顔をした(ように見える)。
ソファのクッションには、すでにDOROのもちもちボディの型がしっかり沈んでいる。
その足元には、コンビニの袋。
中には俺が買い置きしていた高級アイスがひとつ消えていた。
No.1337749928
「……それ、俺の……」
DOROはスプーンを咥えたまま、そっと目を逸らした。
もはや、なにも言う気力が出ない。
シャワーを浴びて出てくると、DOROは体を丸めてソファの上でくつろいでいた。
リモコンは自分のそばから離さない。
冷房の風を完璧にコントロールして、もちもちを一定の快適さに保っている。
俺はタオルを頭にかけたまま、ため息をついて隣に座る。
DOROはちらりとこちらを見て、そのまま無言で空になったアイスのカップを、俺の膝の上にぽすっと置いた。
No.1337750078
「……もう、なんなのほんとに」
DOROは答えない。
ただ、涼しげな顔で、その場に居続けていた。
まるで最初から、この部屋の主であるかのように。
No.1337756377
申し訳なさを覚えてるだけかなりなついてるDORO
No.1337757899
家の中に入ってくるほど遠慮や警戒心がない時点で相当懐いてると思うよ…
No.1337761694 DORO秘蔵の梅酒飲みたい
引用元: 【https://www.2chan.net/】

管理人
一緒にすき焼きつつきたい
コメント
DOROによる俺虐待。うんうんこれだよ
この厚かましいモチモチ
アークにもエデンにもない愛がある
ホンブギと一緒にすき焼きを食べているDOROをgemini君に頼みました
上手くできてるけど…焼肉になってるやん…
生肉。食ってる。
うるせぇ焼けるのなんて待ってられるか
とdoroは仰っている
マジレスになりますが、AI君は割とそういう感じになります
特にスキヤキは見た目複雑なせいか、変な感じになりやすいです
逆にオムライスやジョッキに入ったビールみたいに、シンプルな見た目のは割と安定してます
あと箸二刀流もボチボチ見かけますね
丁寧かつ入念で反論の余地を与えない虐待に政治家の令嬢らしい育ちの良さを感じる